改正前の法律を調べる

1 改正前の法律を調べるには

法律は頻繁に改正されるので
現在施行されている法律の規定が

問題となっている事案においては
異なっているということは少なくありません。

そのため、問題となっていた事案当時の法律の内容を
調べることが必要となるのですが

真面目にこれをしようとするととても大変です。

法律が改正される場合
法律第★号という別の法律によって
変更部分だけが特定されるので

改正前の法律の内容を調べるには
現在の法律と法律第★号を組み合わせて
過去の内容を特定する必要があるからです。

現在施行されている法律のデータベースなので
過去の法律を調べるには
そのままで使えないのです。

e-Gov法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/
は非常に便利なのですが

審判所が審理する事件は
全て過去の事件ですから
処分の適法性を判断するためには
その当時の法律に則って判断する必要があります。

しかし、租税特別措置法のように
改正に改正を重ねている法律の場合
法律第★号から遡ることは非常に大変な作業です。

2 簡単に調べるには

 所属支部と別の支部の研修資料を見る機会があり
 その講師の方が
 判例秘書を使って過去の法律を調べる
 簡便な方法を紹介していたので
 このコラムでご紹介します。

 ①現行法令アーカイブを選択し
  調べたい法律を表示させる。

 ②最初は現行の法律が適用されるので
  ページの右上にある
  年月指定欄に
  表示させたい年月を入力し
  表示ボタンをクリックする。

 これだけです。

 試しに、商法で確認してみると
 わかりやすいです。
 
 会社法が施行されたのが
 平成18年5月1日なので

 商法を表示させ
 年月を平成18年4月とすると
 旧会社法部分の条文が表示され

 年月を平成18年5月とすると
 旧会社法部分の条文は
 削除という表示になります。 

3 ひとこと

 審判所に勤務する前から判例秘書を使っていましたが
 この機能は知りませんでした。

 研修で紹介していた支部は東京支部ではなかったので
 審判所経験者でも知らない方法かもしれません。

 以上

2022年9月28日追記

ウエストローでも
日付を指定すれば
その日に適用される条文が表示されます。

それだけでなく
◆新旧対照表
のタブをクリックすると
 
その条文の
新旧対照表が
ヨコ書きで表示され
使い勝手が良いので

個人的には
ウエストローの方が使いやすいです。
ちなみに
◆履歴
のタブをクリックすると
過去の改正履歴も表示されます。

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