映画 アルプススタンドのはしの方

城定秀夫さん
という名前を初めて認識したのは
2021年公開の映画
 街の上で
でした。

4人の主要な登場人物の中に
 城定イハ
という名前があり
今泉監督から
城定秀夫さん由来で名付けた
という説明があったのです。

それ以来
 愛なのに  脚本 今泉さん 監督 城定さん
 猫が逃げた 脚本 城定さん 監督 今泉さん
という映画コラボなどで
作品を目にすることになるのですが

その反面
それ以前の作品を劇場でみたことはありませんでした。

城定監督の2020年公開の
アルプススタンドのはしの方
がジャック&ベティで
1週間限定で上映されることを知り
劇場でみてきました。

高校野球を題材にしているのに
野球のシーンは一切ありせん。
野球場の観客席と通路での
会話のシーンだけの映画です。

それも
メインは同じ高校の3年生4人で
それに男の先生とブラスバンド部の女子3人が
絡んでくるだけです。

これだけ書くと
全く面白くなさそうですが
私には刺さりました。

この映画の面白さを言語化することは
とても難しく
事実予告編を見ても良さは伝わらないことからしても
実際に見てもらったほうが良いのですが
 映画 桐島部活~
にも通じるものがあると想います。

パンフレットを通じて知ったのですが
この映画はもともと
高校の演劇部の顧問の先生が書いた
オリジナルがあり
高校演劇では有名な作品だそうです。

確かに
舞台で野球シーンを演じるのは難しいですし
そうであれば
観客席での会話劇
というシチュエーションばかりなのも納得です。

そして
映画化の前に舞台化され
4人のうち3人は舞台で演じた役者さんが
映画でも演じていたのです。

アルプススタンドのはしの方
という題名は

直接的には
野球部の応援に来た4人が座る席のことですが
暗に
主役ではない・主役になれない生徒たち
を指しているのではないでしょうか。

ちなみに
2010年公開のアメリカ映画に
 アザーガイズ 俺たち踊るハイパー刑事
の原題は
 The Other Guys 「その他の人たち」
ですから
主役ではないその他大勢のことを指しています。

以上

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