映画 関心領域

アウシュビッツ収容所の隣に住む
ドイツ人の静かな狂気

常に何かを燃やしているような音や
銃声や叫び声などで
何が起きているかを示唆したり

子供達がプールで遊ぶ場面で
壁越しに汽車が駅に到着したことを
煙で表現するにとどめ

収容所で起こっていることは
一切映らさないことが
かえって恐ろしい

ユダヤ人から巻き上げた衣類を分け合う女たち

そのうち
高級そうな毛皮コートを試着し
ポケットにあった口紅を試す妻

期限が悪いと
夫に言って灰にしてもらうわよ、
と脅したり

転勤が決まった夫に対し
今の家は天国だから
転勤にはついていかない

という妻

音だけでなく
匂いも強烈だったはずなのに
何も感じない鈍感さ

妻の母が尋ねてきたものの
ある朝、書き置きを残して家を去った

書き置きの中身は明かされないが
おそらく人として
耐えられなかったのだろう

ハンナアーレントのドキュメント映画

http://www.cetera.co.jp/h_arendt/introduction.html

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