消費税はわかりにくくておそろしい(3)~免税事業者とインボイス制度

「免税事業者」(9条)

課税売上高が1,000万円以下の事業者の方には
消費税の納税義務がありません(消費税法9条)。

しかし
令和5(2023)年10月1日から
いわゆるインボイス制度が始まると
免税事業者に支払った消費税を
取引相手は仕入税額控除できなくなります。

そのため
インボイス制度が始まると
適格請求書発行事業者
という課税事業者であることが
取引の条件とされ

その結果
免税事業者のままの事業者は
取引を打ち切られる
という事態が起きると思います。

免税事業者の方の対応としては

こうした事態を回避するためには
現在は免税事業者の方は

  1. インボイス制度の適用
  2. 消費税の簡易課税の適用

を受ける準備をすることが必要であり

具体的には

  • 登録申請書(インボイス制度の適用を受けるための申請書)
  • 簡易課税選択届出書

という2種類の書類を提出する必要があります。

このうち
簡易課税選択届出書の提出時期は
本来は
適用を受ける課税期間の初日の前日まで
とされています(消費税37条1項)。

ところが
インボイス制度においては
簡易課税選択届出書の提出期間について
以下の特例が設けられております。

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平成30年 3月31日 政令 第135号
《仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用を受ける旨の届出に関する経過措置》

第18条 【平成】28年改正法附則第44条第4項の規定の適用を受ける事業者が
消費税法第37条第1項に規定する届出書【簡易課税制度選択届出書】を
【令和】5年施行日【令和5年10月1日】を含む課税期間中に
その納税地を所轄する税務署長に提出した場合において

当該届出書に当該届出書を提出した日の属する課税期間
について同項の規定の適用を受ける旨を記載したときは

当該課税期間の初日の前日に
当該届出書を当該税務署長に提出したものとみなして
同項の規定を適用する。
(注)【】内の文字は私が書き加えたものです。
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つまり
令和5年10月1日から簡易課税の適用を受けるための申請書を

本来は
令和5年9月30日までに提出すべきところ
令和5年12月31日まで提出期間が延長されているのです。

まとめ

令和5年10月1日から
 簡易課税とインボイス制度
の適用をうけるための
書類と提出期間は以下のとおりです。

書類提出期間適用開始
登録申請書 令和4年1月1日~令和5年9月30日 令和5(2023)年10月1日
簡易課税選択届出書 令和4年1月1日~令和5年12月31日令和5(2023)年10月1日

適用開始まで2年を切りました。
これまで所得税の申告をご自身で行っていた
免税事業者の方も
インボイス制度の下では課税事業者にならざるを得ないと思いますので
遅くとも
令和4年(2022年中)には税理士の先生のご相談ください。


以上