税務裁判例をフォローするには
税務通信
2022年3月末で更新期限を迎えるのを機に
購読をやめることにしました。
監査法人に勤務していたときは
法人税の申告書を読める必要があったので
経営財務とともに購読していたので
30年以上購読していたことになります。
監査の仕事をしなくなったのを機に
経営財務の購読は止めたものの
税務知識のアップデート目的で
税務通信の購読は継続してきました。
購読をやめることにした一番の理由は
税務申告に必要な情報提供がメインで
税務裁判例や裁決例の紹介が
他誌に比べ十分でないからです。
これは私の業務内容が大きく影響しています。
というのも
私は税務申告を行っておらず
専ら不服申立てを行っているからです。
税制大綱に代表されるように
税制は毎年改正されますし
そのための通達も頻繁に発出されるので
毎年の税務申告を担当するためには
常に税制改正の動向をキャッチアップする必要があり
そういう方にとっては
税務通信は手放せないと思います。
他方
不服申立てや税務訴訟は
過去の税法が争点になるので
最新の知識はそれほど必要ではないのです。
国税不服審判所に勤務していたとき
プロパーの方が
審判所では最新の税制が問題とならないので
税務署に戻ったときに
知識をアップデートするのが大変
ということを仰っていましたが
同じことだと思います。
税務裁判例をフォローするには
判例雑誌としては
判例タイムズ、判例時報、商事金融判例などがありますが
下級審の税務裁判例が掲載されることはほどんどなく
まして国税審判所の裁決例が掲載されることはありませんから
各種判例雑誌は
税務裁判例や非公開裁決例をフォローする
という目的には適していません。
税理士会が主催するTAINSは
未公表裁決も多く収録しており
とても有益なのですが
情報公開請求を通じて非公開裁決書を入手しているので
掲載まで時間がかかります。
私が重宝しているのは
税のしるべ
T&Aマスター
の2誌です。
税のしるべが良いのは
裁決事例集が連載となっている
未公開裁決が電子版に定期的にアップされる
点です(年間購読料も8,400円と格安です)。
T&Aマスターが良いのは
地裁の裁判例がタイムリーに紹介され
その後比較的早くに全文が掲載されることです。
紹介記事だと記者の主観が入ってしまうので
できるだけ判決原典に当たりたい
と思っている者にとっては
T&Aマスターはとても助かっています。
以上