映画 モーリタニアン 黒塗りの記録

911の首謀者の一人として
2001年
アフリカのモーリタニアで拘束され
その後14年間も拘束されたモハメドゥ。

キューバのグアンタナモ収容所の存在は
知っていたものの
2015年
モハメドゥによる手記が出版され
世界的にベストセラーになったことは
知りませんでした。

激しい拷問の数々

冒頭に
実話に基づく(based on a true story)
というキャプションが入る映画が多いが

この映画では、記憶に間違いがなければ
このこの映画は実話である(This is a t
rue story)
というキャプションでした。

脚色はないことを強調しなければ
ならないほど
この映画で描かれている数々が
2001年から2015年の間という

21世紀での出来事であるとは
信じられないことばかり。

特に後半に登場する
拷問シーンは強烈です

水責めや光や音楽で寝かさない
という方法があることは
見聞きしていましたが

同じ姿勢を長時間続けさせたり
女性尋問者による強制性交
という拷問は
この映画を見て初めて知りました。

監督のインタビューによると
無理矢理大量に食べさせたり
極寒の部屋に数週間放りこまるなど
映像化しにくい拷問は
映画に取り入れなかったそうですから
肉体的な負担もキツいだろうが
それ以上に絶望という精神状態に与えた
影響は想像を絶します。

本人が現在もPTSDを煩っているそうですが
当然でしょう。

製作はイギリス

映画のキーパーソンの一人として
登場するカンバーバッチが
映画化権を取得したことかから
この映画はイギリス製作となっています。
内容的にもアメリカ製作は難しかったろうと思います。

ジョディフォスター

目や顔つきは若いときのままですが
金髪だった髪は白髪に変わり
顔や首には皺が多く刻まれ
還暦近い女性の姿を画面一杯に映し出します

パンフレットのインタビューで
大事なのはモハメドゥであり、モハメド
ゥの物語に報いたい、という思いがあっ
たと語っていますから

本人は綺麗に写してもらうことは
考えていなかったのでしょう

アメリカでさえ

日本でも
名古屋の入出国在留管理局でのウシュマ
さん死亡
近畿財務局の黒塗り開示など
この映画と似たようなことは起きており
他山の火事ではありません。

マグダレンの祈りという映画は
アイルランドに1996年まで
存在した女性を矯正する収容所を描いた
映画です。

日本で公開された2003年に
映画館でみましたが
管理者側の女性たちの狂気を感じさせる
シーンは
今でも思い出すことがあります。

ハッピーな映画ではないですが
見ておくべき映画だと思います


以上