好きな邦画3本

20代のころ、3年ほど、広島に住んだことがあります。
職場や繁華街から徒歩10分のところに住んでいたので
移動時間が少なくなった分
たくさんの映画を見るようになりました。

広島はミニシアターのスクリーンがいくつかあり
昼間・夜で異なる映画を上映し
週末には特集上映をしていたので
数多くの映画を観る機会に恵まれました。

上映時期は東京よりも遅れるものの
評判の良し悪しがわかってからの上映となるため
ハズレの映画を観る確率も減るメリットもあり
沢山のお気に入りの映画を見つけることができました。

私は会話劇が好きで
邦画で一番好きな映画も
広島時代にスクリーンで見た映画です。

アベック・モン・マリ

2つの男女カップルの痴話喧嘩の映画なので
ストーリーはないに等しいのに
とてつもなく面白いのです。

なかなかDVDが発売されなかったのですが
公開から数年後に漸く発売されました。

ボーナストラックとして
監督と出演者のコメンタリーがあり
映画ファンとしては
撮影裏話が聞けてとても楽しめる内容です。

残念ながら、配信はなく
またDVDも中古しか出回っていないのが残念です。

街の上で

2021年と2022年は
アベックモンマリ
と同じくらい好きになりそうな映画に
2本も出会うことができました。

「街の上で」は
下北沢を舞台にした映画で
主人公の男性と彼をとりまく4人の女性との会話劇です。

映画の多くは
主人公が困難に直面して
それに立ち向かい
成長していく姿を描く
という骨格がありますが

「街の上で」の主人公は
他人に巻き込まれても
一切成長しません。

それなのに面白い。

シナリオを買って読みましたが
それを読んだだけでは
正直あの面白さは共有できない
と思いました。

映画の持つ空気感なのでしょうか
おそらくDVDで見るだけであったら
面白さを体感できないように思えます。

「髪結いの亭主」
というフランス映画のレビューで
ある俳優さんが
映画には映画館で見るべき映画があり
この映画はそういった類の映画だ
DVDで見ながら僕は映画館で見なかったことを後悔した
と言っていましたが
「街の上で」もそうだと思います。

DVDが発売され
配信も始まりましたが
DVDや配信で見てしまうと
映画への思いが変わってしまいそうなのが怖くて
いまだ観ないままです。

ちょっと思い出しただけ

こちらは2022年3月現在も公開中の映画です。

男女2人の6年間を
誕生日の1日を通して振り返る
という会話劇の映画です。

男女2人の日々をある1日を通して描く映画には
アン・ハサウェイ主演の「ワンデイ」
がありますが

こちらは希望がある終わり方でないので
鑑賞後感があまりよくありません。

「ブルーバレンタイン」も
幸せな日々が今は…
という描き方なので
同じく鑑賞後感がよくありません。

それに対し
「ちょっと思い出しただけ」
希望がある終わり方なので
鑑賞後感がとてもよいです。

ワンシーンのみの出演なのに
名のある方が数多く出ており
監督が愛されていることもわかります。

映画パンフレットが売り切れで買えなかったので
シナリオを買って
映画の余韻を感じています。

追記 愛なのに

「街の上で」
の今泉力哉監督が脚本を書いた
「愛なのに」
という映画が公開中です。

こちらも今泉ワールド全開なので
「街の上で」
が気に入った方は
鑑賞することをお勧めします。

以上

追記その2 まともじゃないのは君も一緒

この映画を忘れてました。

旬の若手俳優のお二人が主演ですが
こじらせた2人の会話が面白いです。

元町や馬車道など
横浜がたくさん出てくるところも
気に入っています。