固定資産税に関する裁判例

固定資産税を巡る3つの裁判

週刊T&A masterの2021年11月22日号(907号)の巻頭特集は
固定資産税に関する3つの地裁判決の紹介でした。

  •  東京地裁令和3年3月29日判決(大嶋洋志裁判官)
  •  東京地裁令和3年3月26日判決(清野正彦裁判官)
  •  東京地裁令和3年6月18日判決(市原義孝裁判官)

いずれも判例DBやTAINS未収録なので
記事からわかる範囲でご紹介します。

東京地裁令和3年3月29日判決(大嶋洋志裁判官)

国家賠償賠償請求訴訟(被告は大阪市)

平成16年度から平成30年度までの
各年度の家屋の評価方法に誤りがあり
結果として
家屋の固定資産税等の税額が過大となっていた事案

大阪市に賠償責任を責任を認めました

興味深いのは
審査の申出を依頼した税理士
に支払った費用の一部が
損害として認められていることです。

少し補足しますと
固定資産税では
登録価格を取消訴訟で争うためには
前提として
審査の申出をする必要があります
(地方自治法432条)

この点については
以下をご参照ください

東京地裁令和3年3月26日判決(清野正彦裁判官) 

国家賠償請求訴訟(被告は富山市)

問題となった地下1階付8階建家屋は
 ・鉄筋コンクリート
 ・鉄骨鉄筋コンクリート
 ・鉄骨造
の複合構造家屋でした

富山市は複合構造家屋について
 平成21年度まで  登記簿表題部方式
 平成22年~26年度 床面積割合方式
 平成27年度~   床面積の大きい構造を一棟の構造とみなす方式
で登録価格を決定していました。

裁判所は
①登記簿表題方式について
 一般的な合理性を有するまではいえず
 その結果、登録価格が適正な時価を
 上回る場合には違法となる
②低層階方式については
 相当の合理性を有する
という規範を示し

記事によると
富山地裁平成26年5月28日判決を受けて
平成27年度から価格決定方法を変更しており
この裁判例でも
上記①②と同じ規範が示されました。

記事の事実経過では
低層階方式という用語がないのに
判断で低層階方式
という用語が登場し
事実関係がよくわからないですし

何より
審〇所での担当事案だった可能性があるので(内緒)
判決全文がアップされ次第
コラムを追記します。

東京地裁令和3年6月18日判決(市原義孝裁判官)

取消訴訟(被告 東京都)

固定資産税における
家屋の評価方法として
再建築費を基準とすることが適切か
が問題となった事案

裁判所は
適正な時価を算定する方法として
一般的な合理性を有する
と判断し

請求を認めませんでした。

以上