審査請求を経由することの意義

税務訴訟を提起するためには
審査請求を経由しなければなりません(通則法115条参照)。

審査請求を経由することの意義はいろいろ説明されていますが
納税者にとって最も重要なことは
 原処分庁である税務署が提出した証拠
 審判所が入手した証拠
の双方の写しを入手できることではないでしょうか(通則法97条の3参照)。

原処分庁や審判所には納税者にはない広範な調査権限があり
調査に応じない相手方に対する罰則規定があるので
よほどのことがない限り、調査が拒否されることはありません。
審査請求で証拠の閲覧を請求した納税者の方は
原処分庁や審判所が、実に様々な調査先から
証拠を入手していることに驚くと思います。

通則法改正前でも、納税者は証拠を見ることはできましたが
写しを入手することはできませんでした。
証拠を見るためには審判所に来所しなければならなかったのです。
しかも、写真撮影も認められていなかったので
証拠の内容を手で書き写さなければなりませんでした。

写しを入手できるメリットは
 証拠を閲覧していない人と証拠内容を共有できること
 審査請求に続く訴訟で証拠として提出できること
だと思います。

課税処分が適法であることは課税庁が立証しなければならず
証拠は専ら課税庁側にあることを考えると
訴訟提起前に写しを入手できることのメリットは非常に大きいです。
逆に、通則法改正前の税務訴訟において
納税者はどのような証拠を提出していたのか
とても興味があるところです。

以上

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