映画 SHE SAID

映画配給会社ミラマックス社ワインスタインの
セクハラを暴く記事を書いた
ニューヨークタイムズ記者に焦点を当てた映画です。

アシュレイ・ジャド

実名公表を認めた女優のひとりに
アシュレイ・ジャドがいました。

ピープル誌の世界の美女100人にも選ばれたこともある美形です。

私が彼女を知ったのは90年代前半です。

トミーリージョーンズと共演した
ダブル・ジョパディー
という映画に主演したり
日本のシャンプーのCMに出演するなど
これからというときに
目立つ役で映画に出演しなくなったのを覚えています。

原作本によると
被害にあったのは96年ですから
映画に出なくなった時期と一致します。

ジャドの凄いところは
実名記事に応じただけでなく
この映画で実名で出演しているところです。

現在は女優にとどまらず
母校の大学で教鞭をとったりしているようですが
彼女のような肝が据わった人物であれば
教える側としても適任でしょう。

監督インタビューによると

パンフレットには
監督のインタビュー記事が載っています。

参考にすることを避けたい映画として
ウォーターゲート事件を描いた
「大統領の陰謀」は挙げています。

その理由として
「大統領の陰謀」の2人の記者は
既婚者であるにもかかわらず
まるで独身者のようで
私生活が垣間みえないから
と回答しています。

確かに
この映画では
2人の女性記者が夫や子供との場面が
沢山描かれており
キャリーマリガン演じるミーガンについては
産後鬱を想像させるシーンも登場します。

告発者の一人であるローラは
映画の中で
当初拒否していた実名記事に応じる理由として
2人の娘がこうしたことが普通のことと思ってほしくない
という趣旨の発言をします。

2人の女性記者も、一人の女性としてだけでなく
子を持つ親として
この問題を報じる使命を感じて
取材をしていたのではないでしょうか。

ある奴隷少女に起こった出来事

原作本を買うために手に取ろうとしたところ

隣に以下の本も平積みになっていたので
同時に購入して読みました。

https://www.shinchosha.co.jp/book/220111/

女性という立場に加え
奴隷・黒人という複数のマイノリティ要素を持つ
著者に起きた辛い出来事の数々。

映画「それでも世は明ける」の
パッツィーのような黒人女性は
子供の頃に見ていた
アニメ「トムソーヤーの冒険」
では決して登場することがありません。

シンポジウム「セクハラの慰謝料はなぜ低い?―慰謝料額から現代日本のセクハラを考える―」

映画では示談書の内容にも言及がありますが
驚くのが示談金の額です。

日本では考えられない金額なので
こうしたシンポジウムが開催されるのでしょう。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2023/230304_3.html

以上