税務に携わる方は「事務運営指針」も読もう

国税庁が公表している通達や質疑応答事例などは
熟読されている税理士の先生方は非常に多いですが
同じく公表されている「事務運営指針」はお読みになっているでしょうか。

国税不服審判所を退官後、ある税理士の先生との話が重加算税に及んだとき
私が「事務運営指針」について言及すると
その先生は「事務運営指針」の存在をご存じありませんでした。

「事務運営指針」は、国税庁のホームページの「法令等」にあり、誰でも見ることができます。
  【参考】国税庁→法令等→事務運営指針
https://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/jimu.htm

「事務運営指針」は、国税職員に対する実務上の取扱いを具体的な指示した文書です。
その中に、「重加算税の取扱いについて」という文書があり
重加算税を課すことができる場合を具体的に説明しています。

重加算税を規定しているのは国税通則法第68条であり
国税通則法はすべての国税に適用される法律ですから
重加算税が適用される要件は
法人税法でも、所得税法でも、相続税法でも、全く同じはずです。

にもかかわらず、重加算税に関する事務運営指針は税目ごとに分かれており、
所得税に至っては申告所得税と源泉所得税に分かれています。
ご一読いただければ分かりますが、その内容は税目によって驚くほど違っています。

重加算税の「事務運営指針」が税目ごとの内容の違いについては
後日のコラムに譲るとして、

審判所にいたとき
「事務運営指針」が何故税目ごとにあるのか、
何故内容に差があるのかについて
国税プロパーの職員に聞いてみました。

すると、その方いわく、
従前は各税法が重加算税を規定していたところ
国税通則法が規定するよう法改正された経緯があり
それまでの税目ごとの実務の積み重ねを調整しきれなかったから
とのことでした。

以上

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重加算税 税目による違い