税理士法45条に基づく処分を肯定した東京地裁令和4年6月3日判決

税のしるべ令和4年6月13日号1面において
相続税申告書に署名をしたわけでもなく
報酬ももらっていないにもかかわわらず

税理士法45条に基づき禁止処分が
適法とする判断をした裁判例が紹介されていました。

事案の概要

顧問弁護士を勤めていた会社代表者の
相続について

税理士が代表者の長男から相談され
無報酬で相続税の申告の説明をして
書面を交付したところ

その長男はその書面に基づく申告を行ない
その後、その税理士の関与のない修正申告を行った。

しかし
相続財産に計上漏れがあったことにより
長男には重加算税が課され
税理士には税理士法45条に基づき
禁止処分がされた。

「故意に、真正の事実に反して税務代理若しくは税務書類の作成をしたとき(税理士法45条1項)」に当たるか

記事によると
裁判所の判断は
以下のとおりです。

  • 交付した書面は「税務書類」に該当する
  • 委任関係が存在する。
    なお、報酬を受け取っていないことや
    書面に税理士としての署名押印がないこと
    委任関係があるという認定を左右しない。

相続財産の計上もれがあったという事実からは
客観的に
「真正の事実に反して…税務書類の作成をした」
ということになるでしょう。

問題は
「故意に」相続財産の計上もれのある書類を作成したといえるのか
でしょう。

相続財産の範囲は
被相続人以外にはわかりえない事実であり
相続人がすべて把握している方が稀だと思います。

多くの方にとって、自分の両親が
どこの銀行に口座があるか
どのような金融資産を持っているか
などご存じのないのではないでしょうか。

そうすると
処分を受けた税理士が
どこまで知っていたのか
について
どのような認定があったのか
非常に興味があるところです。

この点は裁判例がデータベースに反映されたら
改めて言及したいと思います。

以上