税額を後から修正するには

専門家の方にとっては当たり前のことでも
ご相談にお見えになる方にとっては
当たり前ではないことは多々あります。

そこで、一般の方にとって
理解できているようで
正確には理解できていないと思われる事項を
このコラムでご紹介していきます。

第1回は
税額を後から修正するには
です。

税額はどのように決まるのか

 ◆申告納税
 ◆賦課決定
 ◆自動確定
の3つがあり、税目ごとに税額の決め方が異なります。

所得税、法人税、相続税などは
申告納税方式(通則法17条)を採用しており
納税者が申告書を作成提出し
申告した金額を納税する方法です。

新聞で耳にする
重加算税(通則法68条)などの加算税は
賦課決定方式(通則法32条)と呼ばれ
税務署が税額を納税者に通知し
納付を求める方法です。

このコラムをお読みの方の関心は
所得税、法人税、及び相続税だと思いますので
以下は申告納税方式のことを前提に
記載します。

税額が増加する場合の修正

税額の修正というと
修正申告を思い浮かべる方が多いと思います。

間違ってはいないのですが
修正申告は税額が増加する場合
言い換えると
申告した税額が少なかった場合の手続きなので(通則法19条)

当初の申告に誤りがあり
納付した税額が過大だった場合には
別の手続きをする必要があります。

更正の請求(税額が減少する場合)

税額が減少する場合の手続は
通則法23条以下に規定されています。

注意すべきは

更正の請求をすれば
すべて税金が戻ってくるという訳ではない
ということです。

というのも、更正の請求には
 ◆タイムリミットがある
 ◆更正の請求が認められる場合が限定されており
  税務署が請求に理由があると認めた場合に限られる
からです。

具体的な要件や手続きは
別のコラムでご紹介します。

なお、相続税の場合には
タイムリミットや認められる要件に
特則があり相続税法32条に規定されています。

更正(税務署による税額修正)

修正申告も
更正の請求も
納税者による修正ですが

このほか
税務署が修正する場合があり
更正と呼ばれています(通則法24条)。

申告をしていない場合の税額

納税者が申告をしていない場合
修正するものがありません。

その場合の納税者による申告は
期限後申告と呼ばれ(通則法18条)
期限内の申告とは区別されます。

他方、税務署によって税額を確定することは
決定と呼ばれています(通則法25条)

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