映画「コーダ 愛のうた」は令和の「リトルダンサー」

題名の「CODA」はダブルミーニングになっていて
・音楽の最後の部分
・Children of deaf adultsの頭文字
の意味です。

ストーリーは

漁師の父母兄の4人家族で暮らす
主人公のルビーは聴覚障害者の家族の中で
唯一聴覚を持つ女の子。

彼女は家族と社会との通訳でもあるので
朝3時に起床して漁船に乗ってから
高校に行く毎日。

そんな彼女が歌手として素晴らしい才能をもっていることがわかり
音楽の先生の熱心な指導の下で
メキメキ上達し
奨学金を得てバークリー入学を目指すことに。

しかし、音のない世界に暮らす家族は
ルビーの才能を理解できないし
何よりルビーなしでは
家族が漁業で生計を立てることが難しい。

そのことを一番わかっているルビーは
夢をあきらめようとするが・・・

特に印象に残った3つのシーン

フランス映画のリメークで
日比谷シャンテで見た記憶がありますが
私は今回の映画の方が好きです。

ネタバレも含むので
これから見ようとする人は
読まないでください。

ひとつ目は
ルビーが家族の前で初めて歌う
学校主催のコンサートのシーン。

耳の聞こえない家族が
ルビーの歌の素晴らしさを実感する場面は
泣きそうになります。

ふたつ目は
試験監督の前で歌を披露する際に
ルビーがある振付けをしながら歌うシーン。

ルビーにしかできない振付けで
家族に歌の素晴らしさを伝える場面は
歌や小説などの創作物は
特定の誰かに宛てたものであればあるほど
多くの人の心に届くものであることを
実感します。

みっつめは
家族のために夢を諦めようとしている
ルビーにお兄さんが思いとどまるように説得する場面

このシーンこそ
「リトルダンサー」や「遠い空のむこうに」
を彷彿させる場面です。

最後に

町山さんのネタバレしない映画解説も
いつもながら素晴らしいので
映画を見る前にどうぞ。

https://miyearnzzlabo.com/archives/78384

以上

追記

アカデミー賞最優秀作品賞を獲りましたね。

授賞式の生中継を見ていましたが
助演男優賞のプレゼンターのユン・ヨジョンさんが
コッツァーさんの名前を読みあげる前に

手話でアイラブユーをしたり
スピーチの間、手話ができるように
トロフィーを持って横にずっといてあげたり

ちょっとした配慮もとても素敵でした。

前の記事

整腸目的で訪れるお店