自己紹介(4)逗子に事務所を開設するまで

2021年は逗子に拠点を移したという意味で
転機となる年でした。

今年のコラムは今回が最後であり
年末休暇の時期でもありますので
いつもよりも長めですが
事務所紹介を兼ねて
パーソナルなことを書きます。

ひとり弁護士

弁護士は私ひとりです。
また事務員を雇っていないので
特定記録郵便の発出などの
事務仕事も私自身でやっている
ワンオペ事務所です。

同じ士業では
税理士の井ノ上陽一氏に代表されるように
税理士の方はひとり税理士を標榜する方が少なくありません。

http://www.zaikyo.or.jp/publishing/books/008144.shtml

弁護士業界では
弁護士が増えたこともあり
ワンオペの事務所も増えているはずなのですが
ワンオペであることを明らかにしたがらない
風潮があるように感じます。

電話秘書というサービスを使うと
ワンオペであっても
事務員がいる事務所と
傍から見ても変わりません。

ひとり弁護士である理由

課税に配慮した法律問題に軸足を置き
依頼者と狭く深く向き合うことに注力したい
と考えているからです。

ひとりだと
自分と依頼者のことだけシンプルに考えることができます。

半面
ワンオペだとマンパワーが必要な業務は
お受けできません。

記帳代行や債務整理などを扱わず
業務範囲を絞っているのも
そのためです。

◆経理もできる
◆整理整頓が苦手ではない

ということも
ワンオペが可能な理由にもなっている面があるかもしれません。

多くの弁護士は経理が苦手なので
どの弁護士もワンオペが可能
という訳ではないと思います。

プレーヤーでありたい

最初からひとり弁護士というスタイルを目指したわけではありません。

社会人としてのスタートは監査法人であり
顧客は全て株式会社だったので
当時はチームで仕事をすることが性に合っていると思っていましたし
今でもそう思っています。

もともと弁護士になったのも
組織内部で働くことが目的だったので
今ワンオペでやっていること自体
真逆といえます。

監査という仕事も
監査法人というカルチャーも
自分に合っていたと今でも思いますが
30歳になったときに辞めました。

理由はポジションが上に行くに従い
現場から離れてしまい
プレーヤーとしての腕を磨く機会が少なくなるからです。

管理職よりもプレーヤーの報酬が高いのは
プロスポーツくらいで
どの組織もポジションが上がらないと
報酬も上がらないのではないでしょうか。

当時は「スーパー平社員」という用語があり
ベテラン工員のポジションは従来のままで
報酬は社長並に遇するという話が
アメリカの自動車メーカーの話としてありましたが
そうそうある話ではありません。

弁護士になった後
事業会社に勤務したときに痛感したのが

管理職の業務は社内調整・人事がほとんどで
専門職として手腕を発揮する場面が
極めて少ない

ということです。

組織の中で業務を行うことと
プレーヤーでありたい
という思いの両立は難しいと考え
2年ほどで事業会社を退職しました。

東京に拘っていた

今でこそ逗子にもイタリアンや
美味しい珈琲を出すような
日常生活に彩りを添える店が増えましたが

私が学生の頃の逗子は
生活に密着した店しかない町でした。

若い頃は逗子のような刺激のないところではなく
働くようになったら都心に住みたい
と思っていました。

都内暮らしの快適さを満喫していたので
電車で1時間位の距離に住んでいたのにもかかわらず
家に帰るのは
海外旅行に行くため
飼っている猫を預けに行くときだけでした。

逗子への思いが変わったのは
事業会社に勤務して1年が経過した
2015年です。

この年の11月に父が急逝したので
何年振りかで1週間ほど
実家に滞在することになりました。

その10年ほどまえに祖母が亡くなったときには
感じなかったのに
急に自分の死というものを身近に感じるようになりました。

葬儀以外は時間があったので
逗子市内を歩いて回りました。

子どものころの馴染みのお店が閉店していることに驚く一方
地元の人を相手にするお店がポツポツ
と出来ていることに気づきました。

若い頃には快適だった東京の刺激が
ノイズのように感じる場面が多くなってきたことの裏返しに
刺激が少ないことの心地よさを感じたのです

そうしたことから
将来的には逗子に戻ることを
漠然と考えるようになりました。
急逝した父から呼ばれたような気もしましたし。

そこで、最初の取っ掛かりとして
翌2016年に
横浜市内に転居するとともに
横浜の法律事務所で弁護士として
働き始めました。

そして
税務の知見を得るため
翌2017年
国税不服審判所で勤務し
現在に至っています。

国税審判官になった経緯は
以下のコラムをご参照ください。

自己管理の重要性

ワンオペだと自分が倒れてしまうと
業務がストップしてしまい
依頼者の方に迷惑がかかってしまうので
健康管理は欠かせません。

ジム通いは2022年3月で丸28年になります。

ジム通いするようになってから
食べ物にも気を配るようになったせいか
人間ドックでの検査も
視力以外は問題ありません。

2000年から猫を飼っており(現在は雄と雌の2匹)
早朝から朝ごはんの催促で起こされるので
(猫を飼っている方にはおわかりですね)
早起きにならざるを得ません。

コロナ禍により研修もWeb参加できるようになったので
遠隔地であるからといって
情報難民になる場面は
コロナ禍以前と比べると
大幅に減少したと思います。

裁判もWebで済む場合がほととんどになったので
コロナ禍がなければ
逗子に拠点を移すタイミングは
もう少し後になっていたでしょう。

以上