収入金額と総収入金額

所得税法36条1項の標題は
収入金額ですが

条文において

  • 収入金額とすべき金額 

    又は

  • 総収入金額に算入すべき金額

と用語を使い分けています。

収入金額とすべき金額 

各所得のうち
収入金額
という用語を用いている
所得類型は
以下のとおりです。

  • 給与所得(法38条2項)
    …給与等の収入金額
  • 退職所得(法30条2項)
    …退職手当等の収入金額
  • 配当所得(法24条2項)
    …配当等の収入金額
  • 公的年金等の雑所得(35条2項1号)
    …公的年金等の収入金額

総収入金額の額に算入すべき額

各所得のうち
総収入金額
という用語を用いている
所得類型は
以下のとおりです。

  • 事業所得(27条2項)
    …事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除
  • 譲渡所得(33条3項)
    …当該所得に係る総収入金額から
     当該所得の基因となつた資産の取得費
     及びその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除
  • 不動産所得(26条2項)
    …不動産所得に係る総収入金額から必要経費を控除
  • 一時所得(34条2項)
    …一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額を控除
  • 雑所得(35条2項2号)
    …雑所得(公的年金等に係るものを除く。)に係る総収入金額から必要経費を控除

使い分ける理由

所得の計算上
必要経費(37条)など
収入からの控除を認めている所得類型について
総収入金額
という用語を用いています。

この使い分けは
法人税法22条2項が

  • …益金の額に算入すべき金額は…

としており
 益金の額とすべき額
としていないこととも整合していると思います。

以上